2010年6月16日水曜日

幸か不幸か1

あるイヴェントでエコ石鹸を無料配布する企画がありまして、このために大量のエコ石鹸を生産しました。一人だけでは大変なので何名かの同僚の人たちに手伝って頂いたときのことです。作業開始時間に快く来てくれた一人のとっても明るくゴキゲンな同僚と作業を始めました。前日までに材料は揃えておいたので、最初の作業は苛性ソーダを量って定量の水に溶かすことからでした。一度に水に投入して突沸すると怖いので秤で量りながらスプーン一杯ずつ投入します。何度も何度も量っては投入します。分量を間違えないようこの同僚の人に「何杯入れたか数えておいてね、全部で11杯だから。」とお願いしたところ、たまたま壁に貼ってあった地下鉄の路線マップが目に入ったようで、「◇◇線〇〇駅から△△駅までですねぇ~。」とルンルン気分で、双六のように1杯入れると「◎◎駅ぃ~」2杯目入れると「◆◆駅ぃ~」と各駅で進みます。ちょっと量るのにてこずっている間にちょっとしたおしゃべりになり、やっと投入するとまた一駅進んで「##駅ぃ~」、最後の11杯目で「終点△△駅に到着で~す!」。こうして明るく楽しく能天気に作業していたところ、突然電車が脱線して車外に放り出されたのでしょうか、「あれっ?今どこの駅まで来てたんだったっけ??え?あれ?ん?確かさっき※※駅だったはずだから、今の一杯で次の駅のはず。。。」とちょっと小さな声が。。。なんだか重症の様子。
最終的に完成した(はずの)石鹸は、いつもは2日後に切り出せるほど固まっているはずが固まらずクリーミーなまま。。。一週間たってもクリーミーなまま。。。1ヶ月たってもクリーミーなまま。。。3ヶ月たってもクリーミーなまま。。。ねっとりシットリした漉し餡のよう。。。
仕方なく、捨てるにはもったいなく、一念発起して困ったチャン石鹸ども(ええ、画には写ってませんけど、大量にです)を作り直すことに。まずはどれくらいアルカリが足りなかったか見極めねばなりません。型枠から取り出した困ったチャンに苛性ソーダ水溶液を徐々に足して様子を見ながら混ぜ合わせます。。。
実験の結果、足りない分量は特定できず、圧倒的に残った困ったチャン石鹸たちはその後何も手を加えることなく大切に温湿度一定の部屋で保管され、1年以上の熟成期間を経て、超マイルド石鹸へと変化したのでした。

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